臨床研究のお知らせ

脊髄疾患者における観察的歩行評価
Spinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory (SCI-FAI)
の有用性に関する研究

1.研究の対象

 2019年4月1日~2025年3月31日の期間に当院に入院し、診断名に脊髄障害(脊髄損傷、頚髄損傷、脊髄梗塞、脊髄出血、脊柱管狭窄症、その他上記に類する疾患)を含む成人で、2分間歩行テストまたは6分間歩行テストを実施した者。

2.研究目的・方法

 脊髄障害を呈した方々の歩行評価は、「歩行の速さ」や「歩行の持久性」などが臨床的に使用されています。近年米国で開発された、「歩容(歩き方)」を評価するSpinal Cord Injury Functional Ambulation Inventory(SCI-FAI)が注目されています。しかし、日本では普及が進んでおらず臨床での使用はあまりみられません。

 そこで、日本でSCI-FAIが正しく使用できるか(信頼性・妥当性)、有用であるか(反応性)を検証することと致しました。同時に歩行に関する各測定値がどのように関連するかも検証いたします。

3.研究に用いる試料・情報の種類

【カルテデータ】
基本情報:年齢、性別、疾患名、発症(受傷)日、
既往歴(脳卒中、心疾患、呼吸器疾患、整形疾患等)、経過、身体所見、神経学的所見、動作所見、日常生活自立度、画像所見

各種評価:

  1. 歩行に関する評価:SCI-FAI(歩き方の評価)、10m歩行テスト(歩行の速さ)、
    6分間歩行テスト(歩行の耐久性)、Functional Ambulation Category(歩行の自立度)、The Walking Index for Spinal Cord InjuryⅡ (脊髄疾患者のための歩行分類)、Global rating of change scale(患者さん自身が感じる歩行能力の変化の程度)
  2. バランスに関する評価:Berg Balance ScaleMini-Balance Evaluation Systems Test (難易度の高いバランス評価)
  3. 神経学的高位・重症度・筋力に関する評価:ASIA Impairment scale
  4. 日常生活動作に関する評価:The Spinal Cord Independence Measure Ⅲ
  5. 歩行時の動画:診療・評価目的で撮影された歩行動画
    (個人が特定さえれないように加工)

4.お問い合わせ先

 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

<照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先>

研究責任者:
茨城県立医療大学 保健医療科学研究科 理学療法学・作業療法学専攻 大学院生
茨城県立医療大学付属病院 リハビリテーション部 理学療法科
理学療法士 草野 凌(くさの しのぐ)
Tel 029-888-9216(理学療法科直通)
E-mail:42200026@ipu.ac.jp 

研究指導者:
茨城県立医療大学理学療法学科 教授 理学療法士
水上 昌文(みずかみ まさふみ)
Tel 029-888-4000